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2010年6月7日月曜日

犬塚直史著『脱主権国家への挑戦~支えあう平和を求めて~』初刊発行のご案内







(表紙)





(裏書き)




■著者
元・民主党参議院議員犬塚直史

■出版元
株式会社アイランドヴォイス

■販売元
株式会社マツモト ホンニナルブックストア(ご購入はこちらから





書籍概要


■タイトル・サブタイトル
脱主権国家への挑戦~支えあう平和を求めて~

■ジャンル
国際政治,安全保障

■キーワード
人間の安全保障,国際刑事裁判所、保護する責任、国連緊急平和部隊、通貨取引開発税、支えあう安全保障ゾーン、北東アジア非核兵器地帯条約、人道救援任務部隊、地域安全保障機構

■刊行日
2010年6月3日



■価格(税込
1,500円

■サイズ

A5版

■ページ数
210





書籍内容

世界へと目を向けると、9・11に象徴され、それ以降もいまだ各地で続くテロリズムや、解決の道筋のつかない地域紛争や飢餓・貧困・感染症などの問題をはじめ、地球温暖化に起因する可能性のある異常気象とも関わる大規模自然災害などへの対応において、これほど国際協調が問われている時代はない。

かつて驚異の経済的成功を収めてきた日本も例外ではなく、国際的な経済のグローバリゼーションという環境変化に晒され、 貧困問題などを筆頭に様々な問題が噴出している。その一方で多くの困難を抱えるたびごとに、日本人の意識は次第に内向きへとベクトルを変えて来た。

そのような現状認識にたち、食料と原材料のほとんどを輸入に頼る日本が平和と安全を享受するために、これからの日本が世界の安全に対して主導権を発揮し、『第二の開国』をする事でしか、これからの日本の安全保障は達成されないのではないか、という観点から、日本と世界の在り方をもう一度問い直し、新しい人材大国としての国づくりをする必要がある。

その認識のもと、安全保障という概念を単に国防問題としてのみ捉える事なく、視野をもっと広くもつことで、『人間の安全保障』というオルタナティブな視点をもとに、国際刑事裁判所(ICC)国連緊急平和部隊(UNEPS)通貨取引開発税(CTDL)支えあう安全保障ゾーン(SSZ)人間の安全保障省(MHS)北東アジア非核兵器地帯条約(NEA-NWFZ)人道救援任務部隊(HRTF)国連憲章第八章に基づく地域安全保障機構(RSC)などの国内外の公共財の創造とそれらの実現への具体的な道のりを指し示す。

貧困や紛争に直面する援助対象国のみならず、日本国内の格差是正や人間開発を行う事をも目指し、様々な分野で国際的な平和構築に寄与する人材を育成する事こそが、日本の安全保障に役立つとともに、日本人が外からの脅威に怺えずに、国内問題に専心出来る環境を作り上げることにつながる。そのように内政と外交がつながる政治を目指して安全保障を国防問題としてのみとらえるのではなく、広く人々の暮らしを守りはぐくむ大きな考え方として提示する。

本書は、決して国防問題のみにとどまらず、広く人権状況の改善や平和の構築を目指して普遍的な概念の共有を指向する、参議院議員生活6年を迎えた著者による、NPO法人世界の医療団(メドゥサン・ドゥ・モンド・ジャポン)設立会員でもある著者にしか書けない、議員活動6年の総括とこれからへ向けてのマニフェストである。







書籍構成

まえがき

第一章 「脱主権」につながる「人間の安全保障」 
内政と外交をつなげる人間の安全保障/援助人材大国を目指して
        
第二章 国際社会に「法の支配」を 
国際刑事裁判所の役割/第三の執行機関構想/戦争の違法化/国連の限界
        
第三章 「保護する責任」を全うするアクション         
「テロ根絶法案」が目指すもの」/国連改革につながる骨太の議論を/政治の仕事

第四章 国際紛争解決に日本ができること             
支えあう平和を求めて/援助人材大国となるべき日本/MDGsを実現する通貨取引開発税/CTDL実現に向けて

第五章 破綻国家やテロリストにどう対峙するのか 
「核によらない平和」という選択肢/「もうよいのではないか」という言葉の罠/国際公共財の創出こそが国防の要

第六章 北東アジア非核化と民軍の有機的な結びつき
「脱主権国家」という考え方/憲法九条を遵守する日本の姿/「力の外交」とは/国際公共財創出の鍵となる「非核化」

第七章  駐留無き日本へ
米軍再編がもたらす機会/「支えあう安全保障」へ/共同作戦部隊「HRTF」構想/「責任ある選択」

あとがき 

2009年6月16日火曜日

参考人質疑:国連の専門家を招いて海賊対策を審議


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ソマリアの海賊たちの5つの活動拠点(画像をクリックすると拡大されます)

16日(火曜)の参議院外交防衛委員会では、日本独自の海賊対処法である『海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案』を議題に、参考人質疑が行われた。4人の参考人の一人として、現在東京外国語大学大学院に籍を置くデズモンド・J・マロイ氏(Demond J. Molloy)が国連の紛争予防の専門家として呼ばれた。マロイ氏は委員会の各面々に対し、より「頭脳的なアプローチ」を模索すべきだと提案。デファクト破綻国家ソマリアに端を発する海賊問題については、まったく別の取組み方が必要であると説いた。

マロイ氏は陳述の中で、現在各国が展開中の国際対策部隊について、持続可能な取組みではなく、また費用対効果も少ないと評価。
「応急的な措置」に延々と取り組むよりも、情報収集と警察活動を効果的に行うほうが「より大きな効果が望める」とした。また、現行の作戦では「モグラ叩き」(英語ではcockroach effect)のように、一カ所で叩きのめしても、全体で場所を移動するだけで有効な解決策にはなり得ないとし、海賊対処法案の起草に当たっては次の一連の提言を検討することを委員らに勧めた。
  • 海賊行為にかかわる主要なアクターたちの慎重なマッピング(把握)
  • 国連及び西側諸国による主要な加害者たち(軍閥指導者等)の刑事訴追
  • 氏族等により不法に蓄積された海外資産の没収(ほとんどの主要な氏族は二重国籍のため資産は西側諸国に置かれている)
  • ソマリア領海内における魚資源の略奪と不法投棄に対する国際社会の認知と、これら不法な活動にかかわる者に対する制裁の実施
  • SAACID等のイシュー指向の市民団体に対する投資を通じたコミュニティの能力開発によるコミュニティ・ベース補償の実施
各委員らは、日本の対策部隊への参加が短期的対応としても実効性があるもなのかどうか、またマラッカ海峡でのRECAAP(アジア対策地域協力協定)の成功などをどのように生かし、最大化していくかなどについて議論を交わした。RECAAPは日本の海上保安庁が先導して創設したイニシアチブであるが、参考人の一部からは、長期に及ぶ取組になるが「ソマリア版RECAAP」の創設を検討することも必要ではないかという意見があった。

モロイ氏の参考人質疑の詳細については以下を参照:

2008年8月18日月曜日

UNEPSの拠点利用案、党の新「沖縄ビジョン」に含まれる


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琉球新報が伝えたところによると、11日に那覇市で開かれた民主党のシンポジウムにおいて、「沖縄ビジョン2008」の説明が行われ、同ビジョンに当事務所が推進する国連緊急平和部隊(UNEPS)の拠点利用案が盛り込まれたことが発表されました。具体的には、「宮古島市の下地島空港等利活用計画書を下敷きに」下地島空港をUNEPSの拠点として利用するという案です。(詳細記事

(写真:シンポジウムで講演する鳩山幹事長)

沖縄ビジョン2008におけるUNEPS言及部分
8) 国連機関等の誘致
沖 縄県の地理的、歴史的特性を踏まえれば、サミット等国際的会合を数多く開催してきた「平和の島」として、国連機関や国際機関を立地することは(例として国 連環太平洋本部<仮称>など)、東アジアの安定と発展、また世界への平和の発信として有意義であり、望まれる。特に宮古島市下地島空港を利用 して国連緊急平和部隊(UNEPS)や国連人間の安全保障センターの人材育成等の拠点作り、またミャンマー・サイクロン被害や中国四川大地震に派遣された 国際緊急援助隊の拠点整備をアセアンレスキューチームとの連携を模索しながら行うこと等が考えられる。もちろん平成19 年度宮古島市「下地島空港等利活用計画書」の積極的展開は欠かせない。

個人の有志で構成される国連史上初の常設民軍混成部隊、UNEPSの設立に日本が協力するという考え方は、昨年12月に参議院で可決された「テロ根絶法案」に、まだ正式名ではないUNEPSに代わって『新たな国際連合の組織』として盛り込まれました。(関連記事) 

7月8日の民主党『次の内閣』で決定した今回の新ビジョンは、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)にも反映させる方針であるため、いよいよ政権交代も視野に入れ、UNEPS創設の推進が党是となる模様です。

「民主党沖縄ビジョン(2005)」(改訂)
○「民主党沖縄ビジョン(2008)」


○党プレスリリース
民主党「沖縄ビジョン2008」のシンポジウムを現地沖縄で開催

2008年3月4日火曜日

国際連帯税実現のための超党派議員連盟が発足


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平成20229

国際連帯税の創設を求める議員連盟事務局

参議院議員犬塚直史事務所

プレスリリース

国際連帯税実現のための超党派議員連盟が発足


2
28日(金曜日)、国際連帯税の創設を求める超党派の議員連盟が発足した。同日、「国際連帯税創設を求める議員連盟」(略称: 国際連帯税議連; 英語名: The Parilamentary Group on International Solidarity Levy)は設立総会を開催し、自民党の元法務大臣の川口順子参議院議員をはじめとし、同じ自民党の元官房長官の塩崎泰久衆議院議員、民主党の元環境大臣の広中和歌子参議院議員など、与野党各派から主要な国会議員が参加した。設立総会後、国際協力機構(JICA)から大島賢三副理事長が基調講演を行った。

国際連帯税議連の設立目的は次のとおりである。



「国際連帯税創設を求める議員連盟」
設立趣意書



(背  景)

今年は北海道洞爺湖サミットの年であると同時に、2015年ミレニアム開発目標(MDGs)の達成プロセス中間年でもある。気候変動、貧困、疫病など「パスポートのない問題」が深刻になっているにもかかわらず、2015年までのODA拠出目標が達成される見込みは立っていない。こうした事態を打開するため、フランスが主導する航空券連帯税、あるいはイギリスのIFFなどの取組みも散見されるが、主要国に広がっておらず、かつ税収規模も少ない。
今こそ立法府として一党一派に属さない「パスポートのない解決」を主導すべきであり、我国が革新的資金調達メカニズム創設に正面から取組む必要性を認識し、ここに「国際連帯税創設を求める議員連盟」を設立する。


(目  的)

1. 制度の研究のため勉強会等を開催し、国会の場において議論を深める
2. 我国の「連帯税に関するリーディング・グループ」参加を目指す
3. 同グループ提唱の「CTDLタスクフォース」リード国引受けを提言する


(今後の課題)

CTDLを実現するためには、フランス主導のリーディング・グループ参加のみならず、英国の超党派議員連盟(APPG)およびイタリアや欧州議会など、多くの国が参加できる枠組み作りが求められる。

2008年1月11日金曜日

新たな国連組織の創設提案、参院可決の「テロ根絶法案」に含まれる


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政府の給油新法(いわゆる新テロ特措法)への対案として、昨年12月21日民主党が参議院に提出した、「国際テロリズムの防止と根絶のためのアフガニスタン復興支援特措法案」が、本日の参院本会議にて可決されました。この法案には、当事務所が推進する「保護する責任」国際の平和及び安全に対する脅威に対し直ちに必要な措置を執るための組織」の創設提案が盛り込まれています。

この「必要な措置を執るための組織」というのは、当事務所が推進する国連緊急平和部隊(UNEPS) にほかなりません。UNEPSは未だ構想段階の組織名称であるため、法案 の中でその固有名詞を使うことを避けたのです。事実、UNEPSは法案骨子段階ではその名称ごと採用されていました(関連記事)。

これは米国の議会(過去に2回を決議案を審議)を除けば世界で初めての試みで、日本国内での議論活性化のためにも大きな布石となると見られます。

実際の法案では、2つの条文に分かれ以下のような記述となっています。



 (基本的な法制の整備)

第二十五条 国際的なテロリズムの防止及び根絶のための国際社会の取組に積極的かつ主導的に寄与すること を含む我が国の安全保障の原則に関する基本的な法制の整備が速やかに行われるものとし、当該法制の整備において、日本国憲法の下での自衛権の発動に関する基本原則及び国際連合憲章第七章の集団安全保障措置等に係る我が国の対応措置に関 する基本原則(二千五年九月十六日の国際連合総会決議に規定する大量虐殺、戦争犯罪、民族浄化及び人道に対する犯罪から人々を保護する責任の原則にのっとった活動が国際連合の下で実施されることとなった場合における当 該活動に対する我が国の協力の在り方に関する事項を含む。)が定められるものとする。


(国際の平和及び安全の維持又は回復に係る取組を補完する新たな国際連合の組織の設置に係る検討)

第二十六条 政府は、国際連合の改革の一環として、国際連合に、国際連合平和維持活動(国際連合平和維持 活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)第三条第一号に規定する国際連合平和維持活動をいう。)その他の国際連合が行う国際の平和及び 安全の維持又は回復のための取組を補完するものとして、国際の平和及び安全に対する脅威が生じた場合に、その脅威に対し直ちに必要な措置を執るための組織が設置 されるよう、国際連合、国際連合加盟国等に対し働きかけを行う等積極的かつ主導的に取り組むことについて、検討するものとする。


この条文が含まれた法案、略称「テロ根絶法」は、昨日10日の参院外交防衛委員会では否決されましたが、本日11日の参院本会議では120対118の僅差で、無事可決されました。

これ により、今月18日に召集される次期通常国会で継続審議となることで、新しい国連組織の創設に関する議論が 国会でなされることになりました。これは大きな意味を持ちます。なぜなら、これは米国議会以外、世界のどこでも行われていないことだからです。

日本は米国に次いで世界に先駆け、国連常設部隊の議論を国会で行った国となりました。このことは世界各国にも波及し、国際社会における国連常設部隊の議論活性化の牽引ともなるでしょう。

文責:参議院議員犬塚直史事務所 外交政策担当 勝見貴弘

2007年11月6日火曜日

UNEPS創設提案、民主党対案骨子に含まれる


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民主党は6日午前、発表を待たれていた政府の給油新法(いわゆる新テロ特措法)の対案の骨子となる「アフガニスタンでの人道復興支援活動と国際テロリズム根絶に関する特別措置法案」(仮称)をまとめ、党の外交防衛部門会議で報道陣に公開しました。

骨子案は各紙により直ちに報じられ、一部ではUNEPSに関する記載が以下のように詳細に紹介されました。

憲法や国連憲章7章のもとで、集団安全保障のための武力の行使を容認するための「基本原則を明記」することも盛り込まれ、平和創出のための軍と民間の混成部隊である「国連緊急平和部隊」(UNEPS)の常設に向けて日本が主導的な役割を果たすとした。

産経「アフガンに自衛隊派遣 民主党が新法対案を発表」

産経新聞のほか、とくに毎日や朝日などの主要な新聞各紙は、UNEPSについて記事で触れました。

国会情勢を見極めながら提出を検討するが、当面は「考え方」にとどめる。骨子は、自衛隊の海外派遣は国連決議を前提とし、国連決議があれば海外での武力行使も容認するなどが基本原則で、「国連緊急平和部隊」の設立も盛り込んだ。

毎日「新テロ法案:民主、対案の法案骨子まとめる」

また、国連改革のなかで議論されている「国連緊急平和部隊」(UNEPS)設立に向けて日本が主導的役割を果たすことにも触れている。

朝日「民主、給油新法に対案 「国連決議」条件を明記」


実際の骨子からの該当箇所の抜粋は次のとおりです。

日本国憲法の自衛権発動(武力の行使)、および国連憲章7章下の集団安全保障措置(武力の行使)に係る基本原則を明記する*1。国連改革としてUNEPS「国連緊急平和部隊*2」設立に向けて日本が主導的役割を果たす。
*1 集団安全保障措置の発動に際しては、その判断基準として2005年9月の国連首脳会合成果文書で確認された「保護する責任」の原則を明記する。武器使用基準は国際基準とする。
*2 「UNEPS国連緊急平和部隊」は国連直下個人参加の民軍混成部隊。

2007年7月31日火曜日

犬塚、フランス国営ラジオで参院選の争点を問われる

先週日曜日に終わりを迎えた参院選の渦中、犬塚はフランス国営ラジオ(RFI:Radio France Internationale)の電話取材を受けました。パリ本部からの国際電話でごく短いものだったのですが、取材の内容は26日、現地ラジオで流された模様です。以下は、そのラジオ放送に関するテキスト記事全文の和訳です。

日本の民主党参議院議員、犬塚直史

2007726日、RFI仏英原文

著: Nathalie Tourret

「日本には6500 万人の年金受給者(労働人口)しかいないというのに、政府はそのうち5000万人分の記録をなくしてしまった。つまり、全体の80%以上の記録が追跡不可 能となってしまった。これは非常に大きな数字だ。しかも、一部の記録は40年も遡らないと追跡できないというではないか!」

来る参院選での安倍晋三氏「敗北」の兆候はそこかしこに見られる。投票は今週の日曜日、安倍氏率いる自民党の支持率が際限なく落ち続けている中で行われる。5000万件の年金記録の紛失を含む数々の政治スキャンダルが、党のイメージを傷付けている。

安倍氏率いる自民党はあとわずか10席で参院の過半数を制することができるだけに、対する野党は虎視眈々とその席を狙っている。

翻訳:参議院議員・犬塚直史事務所

Copyright 2007 All rights reserved.

※参院選の争点については、
『Yahoo!みんなの政治』一斉調査にも回答を寄せています。

2007年7月11日水曜日

仏リベラシオンが「日本のサムライ」として犬塚を紹介

国会閉会前、犬塚は国境なき記者団(RS: Rapporteurs Sans Frontières)加盟ライターの、ミシェール・テマン(Michel Teman)氏の取材を受けました。以下は、その取材を受けてテマン氏が仏メジャー紙の一つ、リベラシオンに提供・掲載された記事の全文の和訳です。


保護する責任を追及する日本のサムライ


クシュナーに魅せられ、より人道的政策を追求する日本の犬塚議員

2007年7月9日、仏リベラシオン紙

著:ミシェール・テマン

(※原文はこの記事の題名をクリック)

「遂にですよ」

参議院会館の318号室に民主党の犬塚直史の声が響き渡った。

「日本は遂に、国際刑事裁判所(ICC)の加盟国となったのです!」

ICCとは、ジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪を管轄とする104カ国が加盟するハーグの国際法廷のことだ。

「これは私を含め、7年に及んで一緒に活動してきた人たちすべての努力の成果です。日本にとっても貴重な瞬間です」

外務官僚やNGOなど、あらゆる立場からの支援を受け、犬塚議員は今年4月27日、国会でのICC条約の批准承認を勝ち取った。だが、ある国会関係者によれば、「勝ち取られたものではない」そうだ。なぜならば、初めて犬塚議員が国会で、「日本は国際刑事裁判所に批准すべきだ」と主張したとき、その場の誰も、その存在を知らなかったからだ。つまり、議論すらされる筈のない議題だったのである。

52歳になる犬塚議員は、型破りとしか形容できない。英語を流暢に話し、フランス人の妻を持つことからフランス語も話せる。選挙があると、アメリカ方式に複数の大学で講演を行い、インターネットやブログを駆使して有権者との意思の疎通を図る。国会でも、いわゆる普通の格好はしない。ネクタイはせず、マオタイカラーのスーツを好んで着用する。

理想の発現
長崎出身の犬塚は、政治家の家系に生まれ育ったわけではない。彼は、庶民の代表であり、両親は漁業で生計を立てた。だが若き犬塚は、違う道を選んだ。アメリカの大学で経営学修士を修得したのち、彼は事業を始めた。民主党の議員として政治家を志す10年前、彼は東京ではレストランを開き、ハワイではホテルを経営していた。

転機となったのは、1995年1月17日だった。6,400人の死者と4万人の負傷者を出した阪神淡路地震が起きたとき、彼は被害状況の確認と救援の実施にかかる時間に苛立っていた。彼はそのとき、MSF(国境なき医師団)やMDM(世界の医師団)と出会った。

「彼らは憧れの存在でした。彼らは、どんなに資金がなくても、極限状態のなかで人々を救うために自らリスクを負うことを厭わないからです」

東京でコンサルタント業を営んでいたオスタン・ガエル氏とともに、犬塚はMDMの日本支部の設立に奔走する。永田町の一部の人間が「平和に貢献できる軍事大国」となることを目指すなか、犬塚は史上初の「倫理大国」となることを目指す。

真の国際貢献を目指す
犬塚が師と仰ぐのは、古き侍の教えではなく、フランス外交の新しい担い手である元医師のベルナール・クシュナー氏。議員の口からは頻繁に彼の名が語られる。クシュナー同様、犬塚は、人権を守らない国家に対抗する「保護する責任」を主張する。「日本は、誰も干渉しないことに干渉することの意義に気付くべきです」と彼は語る。

「日本はいまこそ、視野を広げなければならない。70~80年代に、北朝鮮によって日本人が拉致されたことを問題視し続けることは理解できるが、90年代に、100万人もの北朝鮮の人々が餓えによって死んでいることや、インドでは年に4万人もの子どもが誘拐されていることも忘れてはならない。日本の人々は、国境の中のことだけでなく、国境の外で苦しんでいる人たちがいることも考えるべきなのです」

2006年にダルフールを訪問してから、犬塚のこの考えは確信に至る。

「カルマの難民キャンプでは、これまで目にしたことのない悲劇や苦痛を目の当たりにしました。そこで私は、日本にはもっと出来ることがある。国連やNGOと協力して、まだまだ出来ることがあることに気付いたのです。日本は開発援助のやり方が下手です。だが経済大国を築き上げた経験がある。日本は1945年の焼け野原から経済大国になるま発展を遂げました。しかしここで止まってはならない。日本はもっと、積極的に動くべきなんです。新たな経済的、人道的規範を作り上げることが、まさにそれなのです。人権問題について帳尻外交を展開しているだけでは、もはや不十分なのです」

犬塚は国会において具体的な方策を打ち出している。紛争地や飢餓に苦しむ地域で平和貢献できる人材を育成するための「人間の安全保障センター」の創設を提唱し、参議院でこれが承認されたのである。

「たしかに、紛争の原因を根絶することは難しい。だが、紛争の犠牲者を救うことはいつでも可能なのです」

© Libération

翻訳:参議院議員・犬塚直史事務所
Copyright 2007 All rights reserved.

2007年6月18日月曜日

政府が「人間の安全保障センター」の創設を検討


参院ODA委で提言を採択、政府は「検討する」構え
「人間の安全保障センター(仮称)」の設置盛り込む

昨日13日水曜、民主党の犬塚直史議員が筆頭理事を務める参議院政府開発援助に関する特別委員会(委員長:内閣官房副長官・山﨑正昭氏)において、『政府開発援助に関する調査報告(中間報告)』が提出され、『新たな国際援助のあり方に向けて』と題された提言が全会一致で採択されました。

この提言の中で委員会は、我が国の「人間の安全保障」政策に関する提言として次のような提案を行い、国際協力機構(JICA)理事長の緒方貞子氏も参加するなかで、会議に出席した安倍総理はこの提案について「検討したい」とし前向きな姿勢を示しました。

以下、その中間報告書からの抜粋です。

(1)「人間の安全保障センター(仮称)」の創設   
援助分野における人材の育成は、当委員会が最も重要視する課題である。この分野について、我が国は援助予算を飛躍的に拡充すべきである。

特に、戦略的な視点からの援助案件の創造・発掘を推進するための人材や平和構築分野において活躍できる人材の育成・確保は喫緊の課題である。

例えば、平和構築の人材育成においては、平和構築のプロセスが緊急人道支援、開発援助、ガバナンス支援、平和維持活動(PKO)など広範囲に及び、多様な活動を含むことから、これら活動が統合された研修プログラムを構築し、援助専門家の大幅な増員を目指すべきである。  

人材の育成・研修に関しては、既に「国際平和協力懇談会」報告書(平成14年12月)において提言がなされており、また、外務省より平和構築を担う人材育成のための「寺子屋構想」が提唱され、防衛省では国際平和協力活動に係る研修センターの設置が検討されている。  

このような人材育成に向けた取組は評価できるが、政府、国際協力機構(JICA)等による研修体制は、省庁間の縦割りに陥ることなく、開発援助、平和構築、PKOなど各分野に応じた合理的な分化と適切な相互交流・調整が図られなければならない。  

これらの実績を踏まえつつ、将来においては、国内外の実務者、研究者の参加によるアジアでのハブ的機能を有する
「人間の安全保障センター(仮称)」の創設を視野に入れ、総合的な研修体制の整備・強化が推進されるべきである。

(2)国際援助活動におけるキャリア・パスの確立
現在、我が国は、援助の現場での経験を持つ人材が正当に評価・活用されておらず、その人的蓄積も行われていない状況にある。また、援助の現場から戻った後の職の確保や収入の問題などがあり、現実として国際援助活動に参加し難い仕組みとなっている。

人材育成に当たり、育成された人材を有効に活用する場が伴わなければ、資源の浪費 となってしまう。したがって、自らの経験を活かしながら継続的に援助に携わることのできるキャリア・パスの確立が早急かつ確実になされなければならない。  

具 体的には、NGOや大学院等の研究機関、民間企業などからの外務省・在外公館等への継続的な登用を含む政府と民間双方向の人事交流、国連など国際機関にお ける邦人職員ポストの確保と我が国援助関係者の派遣、NGOによる援助プロジェクトの促進によるポスト形成などの施策を強力に推進すべきである。  

また、将来においては、「人間の安全保障センター(仮称)」における援助関係の人材登録制度の創設や同センターを中心としたネット ワークの形成、大学院等の教育機関との連携等をとることで、全国の援助関係者のキャリア・パスの場とし、若年層からシニア世代、自治体職員・ボランティア 等の知見・技術を活かすべきである。

尚、会議の後には記者会見も行われたので、以下のように各紙が報道しています。他に、共同、時事なども即日速報を出しました。

以降の記事では、人間の安全保障センター(仮称)」創設提案の採択のニュースがどう、犬塚議員が進めるUNEPS構想と結びつくのか、その背景を説明します。

犬塚は日本版ピアソン・センターの設置を訴え続けていた

犬塚は、今年3月の段階ですでに、政策研究大学院大学(GRIPS)主催の『新しい日本のODAを語る会』(通称「ODAサロン」)にて、次のような冒頭発言を行っていました。

発言要旨
 人間の安全保障という理念に基づく非常に広い仕事範囲のなかで、何よりも必要とされるのは人間の能力と経験です。特に日本においては、国際貢献が個人のキャリアとして定着する環境づくりが必要です。
 NGO、JICA、外務省、防衛省、文民警察、地方自治体などの幅広い分野から現役・退職後を問わず、個人参加による協力体制を想定し、これを支える給与体系、社会保障、保険制度などが整備され、場合によっては復職が保障されることが必要でしょう。新しい日本のODAを考えるに当って、日本版ピアソン・センターといったような国際的訓練施設が不可欠であることを確信します。

Source: 犬塚直史氏発言参考資料(2007年3月5日)

より詳しくは、次のような発言内容でした。

● 国際協力におけるキャリア形成(平和構築分野を例として)
・人的バンテージを強化することは重要。ODAに対する国民の理解を得るために必要なことの一つは、国際貢献が日本人にとってキャリアとして定着する社会を確立することである。いろいろな分野の人達、そして若い人達がキャリアを伸ばしていけるような環境をつくる必要がある。
・ 昨年8 月、「世界の医療団」というNGOの一員としてスーダン(ダルフール)を訪問したが、現地で働く平和構築分野の専門家は、組織の枠を超えて様々な紛争国での経験を基に長期的なキャリア形成に成功している。
・ このように、日本にも、能力があれば国際協力の分野で専門家としてのキャリア形成が可能となる方法があってほしい。これが、ひいては「顔の見える援助」につながる。

● 新しい方向性
・ スーダンに見られるように、「国家」が破綻している国は国際社会が守る義務があり、日本も平和構築分野において積極的に活動しなければならない。日本としても「紛争予防」と「紛争後の復興」支援に貢献できるように、諸外国から平和構築支援の方法を学ぶことは重要である。
・ 具体的な例として、ドイツにおける自治体レベルでの文民警察官のPKO 派遣(自治体において文民警察官のPKO 派遣を行うが、復職を保障してキャリア形成の一環を担う)、カナダによるピアソン・センターの成功例(PKO に携わる人材に対して平和構築に関するトレーニングを実施する)、英国DFID によるポスト・コンフリクト復興ユニット(Post Conflict Reconstruction Unit)への援助資金の投入等が挙げられる。
日本版ピアソン・センターを設置して平和構築に関するトレーニングを実施すること、国際協力人材プールの設置等による人材育成努力を通じて、NGO、JICA、外務省、防衛省、文民警察や地方自治体などの幅広い層が国際協力に参加できる体制(給与体系、社会保障、保険制度)を整備することが必要である。

Source: 議事録(2007年3月5日)

この最後の発言が、全てを物語っています。
日本版ピアソン・センターを設置して平和構築に関するトレーニングを実施すること、国際協力人材プールの設置等による人材育成努力を通じて、NGO、JICA、外務省、防衛省、文民警察や地方自治体などの幅広い層が国際協力に参加できる体制(給与体系、社会保障、保険制度)を整備することが必要である。

今回のODA特別委員会の提言の目玉となる箇所は、その殆どが、当初から犬塚議員が提唱したままのものです。キーワードは「キャリア」「個人参加」です。つまり、今回の提言は、日本によるUNEPS実現の最初の足がかりとなる提言になる可能性を秘めています。政府がこの提言を受けて参議院の提案を「検討」することになったことで、日本は個人参加による国際貢献を可能にする土台をやっと持てる可能性が出てきたのです。